2016年中国調査旅行短信

 2016年の日中合同植物調査旅行は617日から14日間かけて、四川省と青海省の境界付近を対象地域として実施されました。主な調査地は四川省北西部の黒水の西の羊拱山、四川省と青海省の境の峠、青海省の久治の西の年保玉則自然公園とその周辺(桑赤山、乱石頭Y口、扎拉山隆格山鄂木措可河林、徳啄山)、四川省の甘孜の南の卓達拉と西の老折山など。

 四川省・青海省・甘粛省の省境付近の標高4000m前後の峠筋には、刺(刺毛)はないが剛毛が生えるという青いケシが多く出現します。それらには葉のない花茎の先に1個の花がつくものと、数本の葉のない花茎が合着して短い総状花序をつくるものがあり、どちらのグループも地域的に微妙な形態変化が見られて分類をむずかしくしています。今回の調査旅行はそのような青いケシの地域的な形態変化を現地で詳しく観察し、分類をより確かなものにすることを第一目的としました。しかしこれらの青いケシを観察するにつれて、これまでに知られていないユニークな特徴や地域的変異も新たに見つかり、分類を完成するにはさらなる現地調査と研究が必要なことが実感されました。

 以下に青いケシを中心に今回観察された興味深い植物を紹介します。植物の種名の前に「aff.」(affinisの略)がついたものは、その種に似ているがまったく同じではないという意味で、正確な学名をつけるにはさらなる調査研究が必要とされる植物です。正確な名前でよぶことができないのはもどかしい感じがしますが、そこには過去に見過ごされてきた新種や新亜種、新変種が含まれている可能性が高く、それらを発見する喜びが待っているともいえます。

 9月29日の第18回青いケシ研究会ではプロジェクターを使った詳しい報告があります。

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日程表は以下でダウンロードできます。
2016年四川青海調査旅行報告.pdf
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