青いケシ研究会の調査旅行の成果として発表された論文

論文は以下でダウンロードして読むことができます。

 

Yoshida T, Yangzom R, Long DG. 2016. A New Species of Meconopsis. The Plantsman (Royal Horticultural Society's botanical journal), 15(3): 177-181.

2016年9月に英国王立園芸協会が発行する『プランツマン』15巻3号に発表された論文「メコノプシス属の新種」。

★この論文は2013年8-9月および2015年7月のブータン西部ハ県西部山岳地への調査旅行で採集された標本をもとに発表されたものです。この論文によって、ブータン西部のハ県とそれに隣接するパロ県、ティンプー県の(北部を除く)山岳地に分布する刺のある青いケシが新種であることが明らかになり、その新種にメコノプシス・エロンガタ Meconopsis elongata という学名がつけられました。エロンガタは総状花序や花糸の維管束が「伸長する」ことを意味します。青いケシでは珍しく総状花序がときに基部で分岐することも、この種の特徴です。この青いケシは従来はホリドゥラ M. horridula と混同されてきました。

Meconopsis elongata, The Plantsman 2016.
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Yoshida T, Yangzom R, Long DG. 2016. Dancing Butterflies of the East Himalayas - New Meconopsis Species from East Bhutan, Arunachal Pradesh and South Tibet. Sibbaldia (The Journal of Botanic Garden Horticulture) 14: 69-96.

2016年12月に英国王立エジンバラ植物園が発行する『シッバルディア』14号で発表された論文「東ヒマラヤの踊る蝶ーブータン東部とアルナチャル・プラデシュ、チベット南部からもたらされたメコノプシス属の新種」

★この論文は2014年のブータン東部メラ地区への調査旅行で得られた標本と新知見にもとづくものです。この論文によって、グレイ・ウィルソン氏がかつて発表したメコノプシス・グランディスの亜種オリエンタリス Meconopsis grandis subsp. orientalis がグランディスとは別の新種であることが判明し、上記地域に分布するその種にガキディアナ M. gakyidiana という新種名が与えられました。種名は幸せを意味するゾンカ語のガキッド gakyid に由来し、ブータンが国民総幸福量(GPH)で国力を表そうとする「幸せの国」であることからつけられたものです。またブータン東部やインドのアルナチャル・プラデシュ西部に分布して従来はメコノプシス・プライニアナの変種ルテア M. prainiana var. lutea とされてきたものが、この地域に固有の新種であることも判明し、その新種にメラケンシス M. merakensis という学名がつけられました。メラケンシスには花が淡柴色の基準変種のほかに、花が淡黄色の新変種アルボルテア var. albolutea があります。 

Meconopsis gakyidiana, M. merakensis, Si
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Yoshida T, Yangzom R, Newman MF. 2017. Roscoea megalantha (Zingiberaceae), a new species from eastern Bhutan and India. Edinburgh Journal of Botany 74 (3): 255-263.

英国王立エジンバラ植物園が出版する『エジンバラ・ジャーナル・オブ・ボタニー』74巻3号に発表された論文「ロスコエア・メガランタ(ショウガ科)、ブータン東部とインドからもたらされた新種」

この論文は2014年のブータン東部メラ地区への調査旅行で得られた標本と新知見にもとづくものです。この論文によって、ブータン中部・東部とインドのアルナチャル・プラデシュ州西部に分布して従来はロスコエア・プルプレアに含められていたショウガ科の植物が新種であることが判明し、その新種にメガランタ R. megalantha という種名がつけられました。メガランタは花が大きいことを意味します。

Roscoea megalantha, Yoshida et at 2017_E
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Yoshida T, Sun H. 2017. Meconopsis lepida and M. psilonomma (Papaveraceae)rediscovered and revised. Harvard Papers in Botany 22 (2): 157-192.

2017年12月にアメリカ・ハーバード大学が出版する『ハーバード大学植物学論文集』22巻2号に発表された論文「メコノプシス・レピダと同属のプシロノンマ(ケシ科)の再発見と分類の見直し」

★この論文は2014年7月の甘粛省への合同調査旅行と2016年7月の甘粛岷山探検調査で得られた標本や新知見にもとづくものです。この論文によってレジナルド・ファーラーが1914年に甘粛岷山で採集したレピダとプシロノンマの2種がおよそ100年ぶりに再発見されたことが明らかになり、それらの分類が見直されました。その結果、2014年の調査旅行で甘粛岷山のザガナの西で観察された刺のない青いケシのうち、ザガナから標高4000mの峠に行く途中の崖の上に見下ろすように咲いていた高茎の青いケシはプシロノンマの新変種ザガナエンシスとなり、標高4000mの峠の上の石灰岩の間に咲いていた低茎の青いケシはプシロノンマの新変種カルキコラとなりました。カルキコラは石灰を好むという意味です。

Meconopsis lepida & M. psilonomma_ lo-re
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